最終更新: 2026年1月

シンガポール法人設立

取締役と役員 Q&A

このページでは、シンガポールでの法人設立・運営に関するよくある質問を、実際のお客様からいただいた相談内容に基づいた「シナリオ形式」でご紹介しています。一般的なFAQとは異なり、具体的な状況や背景を含めた質問と、それに対する実践的なアドバイスを掲載しています。ご自身の状況に近いシナリオを見つけて、参考にしてください。

💡 毎週新しい質問を追加しています。特定のご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

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取締役と役員 Q&A

取締役と役員に関するシナリオベースの質問

シナリオ 1

シンガポール進出:自社商品(メインは日焼け止め)/EC販売+海外卸

Q1: 当社は最初は少人数で開始し、代表者(日本人)が日本から事業を見るつもりです。設立に必要なローカル要件(ローカルディレクター等)について、当社のように立上げ期は人員が少ないケースで、一般的にどう進めるのが現実的でしょうか。また、代表者が将来的にEPを検討する場合、設立・口座・売上の立ち上げとビザをどういう順序で進めると詰まりにくいかも教えてください。

✅ 回答

結論としては、シンガポール現地子会社でしょう。シンガポール法上では、支店設立も法人設立(現地子会社)も法人格として販売営業活動はいずれも可能です。気になっている点を一つ一つ設立に向けた準備事項と共に比較していきましょう。 ①マーケットプレース及び決済アカウント開設のしやすさ:申請方法に違いはございませんが、申請する際に支店の場合は、本店(親会社)情報も必要になるため、決済アカウント申請時の提出書類が多くなります。決して保証などを必要とする手続きではないため、本店(親会社)の財務基盤を有効に使えるものではありません。そのため、提出書類の準備及び煩雑さなどを考えると子会社がベターです。 ②輸入業者としての立てやすさ:実際に商品をシンガポール国内で販売する上で、海外からの輸入(Import Permit)が必要となります。手続き上では支店及び現地法人も違いはございません。シンガポールでは輸入ライセンスは比較的容易に取得することができます。 ③消費者向け商材としての返品・肌トラブル等のクレーム時の責任: ここが支店と現地法人との一番の違いになります。支店は法人格を持ちますが、事実上の責任は本店(親会社)に従属します。支店決算要件についても、本国の本店決算書と共にシンガポールで提出をする必要があります。現地法人を子会社として設立する際は「PTE LTD」という有限会社の形態をとり、トラブル等のリーガルリスクも現地法人内で完結・対応が基本です。シンガポールに商品を輸入する際も、その子会社からHSAなど政府機関に商品登録を行う形で輸入者責任を子会社が負います。 ④将来の卸契約での取引開始のしやすさ:支店、子会社に違いはございません。 最後に、シンガポールの化粧品製品の輸入規制はHSA(保健科学庁)に必ずチェックした上で支店を設立または法人設立を実施するようにしましょう。

シナリオ 2

シンガポール進出:日本の経営コンサルタント・投資家(子どもの教育環境の確保をメインの目的として移住+法人設立を検討)

Q1: シンガポールは日本やドバイに比べて規制が厳しく、名目取締役(現地人役員)の設置も必須と聞きます。経営者である私が、本来の仕事に集中したい場合、こうした役所への報告や事務手続きに毎月どれほどの手間を取られるのでしょうか? また、名目取締役を立てることで、銀行送金や契約を自分のタイミングで自由に行えなくなるような制限はありませんか?

✅ 回答

シンガポールでは昨今のマネロンなどに対する規制はとても厳しい国です。但し、シンガポールの法人設立や法人運営は国際基準で「ビジネスがしやすい国」として有名です。多くの日本からの進出企業は、法人設立の時は書面による電子政府システムへ効率的な手続きで完了します。 はい、名目取締役の設置は必要ですが、現地の会計事務所へ委託するかまたはシンガポールに移住後、御本人で現地取締役となれば名目取締役は不要です。シンガポール政府(お役所)への手続きは、法人設立後の年次決算や年次株主総会のみとなり、これらも電子対応となるため、想像以上に簡便です。 また、銀行送金や契約ですが御本人をシンガポール法人の取締役(Director)へ登記する形をとると思います。その場合、銀行口座開設時に御本人が「銀行サイナー(Bank Signatory)」として銀行へ届け出をされ、銀行内の資金は自由に動かすことが可能です。名目取締役をたてることで銀行取引に支障をきたすことはありません。 契約に対しても同様で、契約行為へのご署名は御本人が行います。一般的な名目取締役は事業に関する契約や銀行向けの署名は行いません、名目取締役が署名するのは政府へ提出する役員会議事録、株主総会議事録などとなり、事業運営は御本人が行います。

シナリオ 3

シンガポール進出:学習塾・アフタースクール(小学生向けの放課後アフタースクール+学習塾(対面、送迎なし)を海外1拠点目としてシンガポールで開業を検討)

Q1: 最初は日本側が主導で運営しますが、現地で必要な役員体制をどう組むべきか悩んでいます。取締役や責任者の置き方として、一般的にどんな設計が現実的で、どこでトラブルが起きやすいですか?

✅ 回答

はい、多くのシンガポールに事業進出をされる際の法人設立のケースでは、日本からの派遣役員を1名シンガポールに送り込み、シンガポール事業の経営管理を実施します。シンガポール役員会決議は原則51%決議となります。そのためJVの場合はたとえ出資比率が50%同士であったとしても、役員の数はどちらかが51%をとる体制のほうが事業を成長させる経営判断という観点から理想的です。シンガポールでのJV法人設立時には、役員登記を必ず行うため、それぞれ何名が役員として登記するのかなどもJVを協議する時の重要決定事項の一つです。 シンガポールの全ての法人には、「居住役員」要件があり、シンガポールに住む役員を必ず1名登記をしていなければいけません。そのため、仮にJVがうまくいかなかった場合、現地パートナー側の役員が全て退任して、JV法人の運営や閉鎖手続きがうまくいかないケースも見られます。そのため、「居住役員」は現地で信頼のおける会計事務所からの派遣で設立することも手段の一つです。