最終更新: 2026年1月
シンガポール法人設立
費用・手数料 Q&A
このページでは、シンガポールでの法人設立・運営に関するよくある質問を、実際のお客様からいただいた相談内容に基づいた「シナリオ形式」でご紹介しています。一般的なFAQとは異なり、具体的な状況や背景を含めた質問と、それに対する実践的なアドバイスを掲載しています。ご自身の状況に近いシナリオを見つけて、参考にしてください。
💡 毎週新しい質問を追加しています。特定のご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。
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費用・手数料 Q&A
費用・手数料に関するシナリオベースの質問
シナリオ 1
シンガポール進出:自社商品(メインは日焼け止め)/EC販売+海外卸
Q1: 当社としては、設立後できるだけ早くEC販売を開始したいです。 「会社名承認 → 設立登記 → CorpPass等 → 口座/決済 → ECストア開設・販売開始」まで、一般的にどのくらいの期間を見込むべきでしょうか。 特に、止まりやすいポイント(追加情報要求、KYC、署名・認証手続など)と、当社側が先に用意すると早まる情報・資料を教えてください。
✅ 回答
「会社名承認→ECストア開設・販売開始」は最短で6週間程度とお考えください。幾つかの作業は並行して進めることができるため、以下のSTEPで進めると良いです。 STEP1: シンガポール法人設立登記(約1週間): 法人設立が完了するとBizFile(法人登記簿謄本)が発行されます。 STEP2-1: 銀行口座開設(約3週間)法人登記簿が発行されて進められる作業です。比較的開設しやすいネット専業銀行を利用するか、しっかりと事業計画などを作成し現地店舗のある銀行に口座開設を実施します。 STEP2-2: 販売商品のHSA登録(約3~4週間)これからECストアで販売する商品がHSAの認可が必要かなどを確認する作業。殆どの商品は審査の必要な許認可ではなく、登録のみとなり今回の日焼け止めも「輸入禁止材料」を使用していなければHSAへの確認のみで完了する可能性が高いです。 STEP2-3: ECストア開設準備(約2週間)シンガポールのECショップ大手のShopeeへの出店とするか、それとも自社EPサイトとするかにより期間は異なります。Shopeeへの出店の場合は法人登記簿謄本が発行された後に申請しましょう。 STEP3-1: Shopeeサイトの構築(約1週間)Shopeeサイトの利用では決済代行業者との直接契約が不要なため、商品写真や価格設定などをサイト内で実施することで可能です。最初は「International Shipping」設定にしておき、次のステップが完了した後、「Local Shipping」にすると良いでしょう。 STEP3-2: 輸入ライセンス申請(約2週間)Tradenetからシンガポール税関への申請を行います。輸入時の消費税納税のため、引落銀行口座が必要となります。 以上が約6週間(STEP3-2を除き)の行程となり、止まりやすいポイントはSTEP2-1:銀行口座開設と政府とのコミュニケーションが必要なSTEP2-2:販売商品のHSA登録となります。特にSTEP2-2に関しては現地アドバイザーのアシストを受けると便利です。
Q2: 設立後の年間維持(秘書役、ACRA年次対応、会計・税務申告、住所、必要に応じて監査など)の概算レンジを知りたいです。 加えて、日焼け止め(スキンケア商品)を輸入してEC販売する場合に、一般的な会社維持とは別に「追加で発生しがちな運用・費用」があれば、設立時点で把握しておきたいです。
✅ 回答
法人設立後の年間維持費用相場はS$18,000~S$25,000のレンジが一般的です。下限は会計監査無し、上限は会計監査ありの相場感です。シンガポール国内でEC販売を行う場合、注意しておくのは消費税登録事業者であるかどうかです。年間売上がS$1Million (約1億2300万円)に満たない場合は会計作業は発生しませんが、この売上を超え消費税事業者登録になる場合は、四半期に一度の消費税(GST)申告作業が追加で発生するため、このあたりも設立時点で見積はとっておいたほうがよいでしょう。
シナリオ 2
シンガポール進出:アニメ等のIPビジネス(ライセンス管理・海外展開)
当社は日本でアニメ・キャラクター等のIPを保有・運用し、ライセンス事業を中心に年商約10億円、営業利益約2億円の規模です。ASEANでのライセンス供与や共同制作等の海外展開を進めるにあたり、既存の日本株主を主要株主のまま、契約・権利・ロイヤリティ管理を集約し、将来の資金調達・M&Aにも備えるためにシンガポールに親会社設立を検討しています。
Q1: 親会社の設立自体は小さな資本金でも可能だと理解していますが、本社化として成立させるには、取締役体制や管理機能、契約主体の整理、ロイヤリティの受け皿、IPの保有・利用の整理など、段階的な移行が必要だと思っています。当社規模の前提で、設立から本社機能の移管までの一般的な進め方と、どのタイミングで現金が必要になりやすいか(初期費用・運転資金・専門家費用・必要な実体づくり)を、レンジ感で教えてください。
✅ 回答
はい、親会社(シンガポール法人)自体の設立に伴う資本金は1ドルから設立は可能です。御社の規模感(現在のグループ売上10億円、利益2億円)という観点から「本社機能」をシンガポールに移転するには若干の時期早感の印象があります。当然、今後の事業成長によりますが、例えば慎重な進め方として以下を参考に頂ければと思います。[シンガポール設立:1期目] (i) シンガポール法人設立後に、現物出資によるシンガポール法人の親会社化を完了。その後、現在日本法人が保有するIP&ライセンスを親会社であるシンガポール法人が購入。(現金の支払いがなくとも、購入手続き自体は完了)その間、海外売上の促進(または既存取引先に海外法人があれば、シンガポール親会社との直接取り引きに切り替え等)。 初年度はあまり内省化せずに、専門家中心に外注を実施。[シンガポール法人: 2期目] シンガポール法人の海外売上次第で、外注費→内省化(自社スタッフ採用)。契約書の作成やロイヤリティ収入の税務処理方法などは1期目にある程度社内ルールは決まっているため、維持&運用面で強化していくスタッフ採用が中心になると思います。金額のレンジとしては、日本でのグループ運営に追加で、①シンガポール法人の年間維持費用:約200~350万円、②IPビジネスに伴う弁護士契約レビュー等: 500~1,000万円、③移転する「本社機能」に応じた現地人材採用または日本人スタッフのシンガポール派遣:社内人材では、1名あたり年間600~800万円がスタートラインに。④2期目の人材採用に伴うオフィス家賃等。これらの間接コストを十分に賄える利益額を現事業で確保できている必要があるため、慎重な検討が必要です。
Q2: 社内で検討を進める上で、どの工程が費用面のボトルネックになるかを把握したいです。特に、株主移転や組織再編に関する工程、投資家向けの株主間契約・投資契約、IPの取扱い(保有者、利用許諾、ロイヤリティ設計)に関わる契約整備などは高額になりやすい印象があります。費用が膨らみやすいプロセスとその理由、コストを抑えるために事前に揃えるべき情報や期間への影響(遅延要因)を教えてください。
✅ 回答
まさにその通りで、契約書の整理は既にシンガポールに法人を作り、親会社化する意思決定をされた後です。以下の順番で慎重に検討をされるとよいです。 ①既存株主への影響(税務:既存株主から反対をうけるほどの影響があるか?)、 ②現在保有しているIP・ライセンス保有の整理(契約書の内容確認)、 ③シンガポール法による弁護士レビュー(シンガポール法人が保有したと仮定した場合等)です。 上記①と③は専門家のアドバイスが必要となるため、費用が膨らみやすいのはその部分です。複数の専門家から見積をとり比較検討されると良いでしょう。費用がかさむ専門家への依頼の仕方を避けるためには、社内でビジネスリスクをしっかり分析した上で、税務リスクの分解、リーガル作業の分解を行った上で依頼することです。
